弔事なんでもガイド
「弔事(ちょうじ)」とは、通夜・葬儀・告別式・火葬といったお悔やみごとの一連の流れを指す言葉です。「弔」には「死者を弔う」という意味があるため、このように呼ばれています。遺族を訪ねてお悔みをいうことを「弔問(ちょうもん)」、また死者を弔い、遺族を慰めることを「弔慰(ちょうい)」と言います。
ここでは弔事についての基本的な知識とマナーをご紹介します。
「忌と喪」について
忌中・喪中の意味
近親者が亡くなった際に使われる「忌中」と「喪中」。どちらも身内の死に際した遺族が一定期間外部との接触を控え、身を慎む期間を意味する言葉です。
「忌中(きちゅう)」とは
忌中の期間は宗教によって異なります。仏式では故人の命日から49日目に行われる「四十九日法要」、神式では命日から50日目の「五十日祭」、キリスト教・プロテスタントでは命日から1ヶ月後の「召天記念日」、カトリックでは命日から30~50日の間に行われる「追悼ミサ」までとするのが一般的です。これらの儀式が滞りなく終了した時点で、「忌明け(いみあけ・きあけ)」となります。
▼ 続きを読む「喪中(もちゅう)」とは
喪中の期間は宗教を問わず、忌中の期間も含む、命日から1年間とするのが一般的です。
「忌中・喪中」期間の過ごし方と
マナー
本来、忌中・喪中の期間に当たる遺族は、慶事や祭典を避けるものとされています。結婚式や家の新築・改築、神社への参拝や新年を祝う初詣などは極力避けます。しかし、準備が進んでいる結婚式や家の新築などは、止めるのが難しい場合もあるので、そのような場合は親族に相談するのがマナーです。
新年を祝う挨拶である年賀状も控えるのが望ましいので、11月から12月上旬くらいまでに「喪中はがき」を出しておくのがよいでしょう。
「法事・法要」について
法事・法要の意味
「法事・法要」はどちらも仏教行事を指す言葉ですが、意味合いは少し違います。
「法要」とは
故人の冥福を祈るために、僧侶による読経や焼香などを行う儀式そのもののことで、「追善供養(つうぜんくよう)」とも呼ばれています。故人の死後100日目までに行う「忌日法要」と、一周忌以降、節目の年に行う「年忌法要」などがあります。
▼ 続きを読む「法要」とは
故人の冥福を祈るために、僧侶による読経や焼香などを行う儀式そのもののことで、「追善供養(つうぜんくよう)」とも呼ばれています。故人の死後100日目までに行う「忌日法要」と、一周忌以降、節目の年に行う「年忌法要」などがあります。
▼ 続きを読む「法事」とは
法要の儀式に加え、供養の意味を込めた儀式後の会食までを含めたものが「法事」で、法要は法事の中の一部という位置づけになります。さらには故人やご先祖様を偲ぶ「お盆」や「お彼岸」などの仏教行事全般を「法事」と呼ぶこともあります。
▼ 続きを読むこのような仏教の法事・法要に相当する故人を偲ぶ儀式や行事は、神道やキリスト教でも行われています。ここでは仏式・神式・キリスト教式の法要について説明します。
仏式の主な法要と開催のマナー
仏式の主な法要
※死後とは、亡くなった日・亡くなった年を「1」として数えます。
忌日法要 | 初七日忌 | 死後7日目 |
---|---|---|
二七日忌 | 死後14日目 | |
三七日忌 | 死後21日目 | |
四七日忌 | 死後28日目 | |
五七日忌 | 死後35日目 | |
七七日忌 | 死後49日目 | |
百か日忌 | 死後100日目 |
忌日法要 | |
---|---|
初七日忌 | 死後7日目 |
二七日忌 | 死後14日目 |
三七日忌 | 死後21日目 |
四七日忌 | 死後28日目 |
五七日忌 | 死後35日目 |
七七日忌 | 死後49日目 |
百か日忌 | 死後100日目 |
年忌法要 | 一周忌 | 死後満1年目 |
---|---|---|
三回忌 | 死後満2年目 | |
七回忌 | 死後満6年目 | |
十三回忌 | 死後満12年目 | |
十七回忌 | 死後満16年目 | |
二十三回忌 | 死後満22年目 | |
二十七回忌 | 死後満26年目 | |
三十三回忌 | 死後満32年目 |
年忌法要 | |
---|---|
一周忌 | 死後満1年目 |
三回忌 | 死後満2年目 |
七回忌 | 死後満6年目 |
十三回忌 | 死後満12年目 |
十七回忌 | 死後満16年目 |
二十三回忌 | 死後満22年目 |
二十七回忌 | 死後満26年目 |
三十三回忌 | 死後満32年目 |
「忌明け法要」について
近親者の死から一定期間が経ち、宗教的な意味での最初の区切りとなる法要があります。仏教では死後49日目に行う「四十九日法要」、神道では命日から50日目の「五十日祭」、キリスト教カトリックでは命日から30~50日の間に行われる「追悼ミサ」、プロテスタントでは命日から1ヶ月後の「召天記念日」がそれに当たります。遺族はこれらの法要を機に気持ちに整理をつけ、日常生活を取り戻していきます。
▼ 続きを読む仏式の「四十九日法要」
仏教では、死者は死亡してから四十九日間は極楽か地獄に行くかが決まらずにさまようとされ、この期間を「中陰(ちゅういん)」あるいは「中有(ちゅうう)」と言います。絶対の幸福を目指すとされる仏教の教えに伴って生前の行いや功罪が裁かれ、次に生まれる世界が決まるという考えに基づいています。
遺族や近親者は死から七日ごとに追善供養を行い、四十九日目の法事(法要)を迎えて、故人は「仏」になります。そのため香典の表書は四十九日前は「御霊前」、四十九日後には「御仏前」になります。
故人が亡くなった日を1日目として49日目が「四十九日」です。四十九日のことを「満中陰(まんちゅういん)」と言い、故人が極楽浄土に行く忌明けとなります。 四十九日法要は、故人が極楽浄土へ行くための念仏を唱え、故人との別れの悲しみを癒し、いま一度 宗教への信仰心を深めるための儀式とされています。法要は当日に行うのが本来ですが、遅れてはいけないという教えから、日程をずらす場合は必ず前に行います。そのため一般的には親族が集まりやすい日程を考慮して、四十九日の直前の休日などに行われることが多いようです。なお浄土真宗は他の仏教の教えと異なる「臨終即往生」という教えのため、追善供養を行う習慣はありません。
▼ 続きを読む仏式の「四十九日法要」
仏教では、死者は死亡してから四十九日間は極楽か地獄に行くかが決まらずにさまようとされ、この期間を「中陰(ちゅういん)」あるいは「中有(ちゅうう)」と言います。絶対の幸福を目指すとされる仏教の教えに伴って生前の行いや功罪が裁かれ、次に生まれる世界が決まるという考えに基づいています。
遺族や近親者は死から七日ごとに追善供養を行い、四十九日目の法事(法要)を迎えて、故人は「仏」になります。そのため香典の表書は四十九日前は「御霊前」、四十九日後には「御仏前」になります。
故人が亡くなった日を1日目として49日目が「四十九日」です。四十九日のことを「満中陰(まんちゅういん)」と言い、故人が極楽浄土に行く忌明けとなります。
四十九日法要は、故人が極楽浄土へ行くための念仏を唱え、故人との別れの悲しみを癒し、いま一度 宗教への信仰心を深めるための儀式とされています。法要は当日に行うのが本来ですが、遅れてはいけないという教えから、日程をずらす場合は必ず前に行います。そのため一般的には親族が集まりやすい日程を考慮して、四十九日の直前の休日などに行われることが多いようです。なお浄土真宗は他の仏教の教えと異なる「臨終即往生」という教えのため、追善供養を行う習慣はありません。
■四十九日に関連して行われること
【お斎(おとき)】
お斎とは、法要の後に僧侶や参列者にお出しする食事や食事会のことです。精進料理が基本です。お斎は必ず行わなくてはいけないものではありませんが、四十九日は納骨を行うことも多い重要な法要なので、行われることが多いようです。
▼ 続きを読む【位牌(いはい)・魂入れ】
葬儀が終わるまでの間に祭壇に安置する仮の位牌を「白木位牌」と言います。故人の魂が入っているこの白木位牌から、正式な本位牌に魂を入れ変える「位牌開眼(いはいかいげん)」と呼ばれる儀式を僧侶が行います。 魂を抜いた白木位牌は僧侶に引き取っていただき、お焚き上げをしてもらいます。主に四十九日法要の際に、菩提寺の僧侶に行っていただくことが多いです。
▼ 続きを読む【開眼法要・開眼供養】
仏壇や位牌などを新しく購入した際は、僧侶の読経によって仏像の目を開いて頂くという「開眼供養」という儀式を行います。 浄土真宗には、仏像の目を開くや魂を入れるという概念がないため、開眼供養は行いません。それに変わる死者の魂をお墓に入れる「入魂式」あるいは「建碑式」などと呼ばれる儀式を行います。
▼ 続きを読む【納骨法要】
お墓に遺骨を埋葬する際に行う「納骨法要」は、四十九日に行われるのが一般的ですが、地域によって、葬儀の当日や一周忌、三回忌などの法要に合わせ行うなど様々です。
▼ 続きを読む神式の「五十日祭」
神道では、死は穢れと考えられています。故人は死後50日は現世に霊として留まり、命日から50日目の「五十日祭」を終えてから、遺族の守護神に変わるという教えです。そのため忌中に当たる50日の間、遺族は穢れているとされ、外に出たりすることを慎むべきとされています。
五十日祭では、葬儀の際に神棚や祖霊舎(それいしゃ)に貼った白い紙をはがす「清祓いの儀(きよばらいのぎ)」という儀式も行います。また「合祀祭(ごうしさい)」と「意義式」も合わせて行われることも多く、それによって故人の霊が一家の守護神になります。
玉串料の金額や服装など法事の関連情報はこちらら
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キリスト教式の「追悼ミサ」と「召天記念日」
キリスト教には供養という考え方がなく、カトリックでは「死んで肉体が滅んでも、霊魂は神の御許(みもと)に召されて永遠の生命が始まる」と考えられ、プロテスタントでは「死後は天に召され神に仕えるもの」と考えられています。
カトリックでは命日から30~50日の間に行われる「追悼ミサ」、プロテスタントでは命日から1ヶ月後の「召天記念日」が仏式の四十九日に当たり、忌明けとするのが一般的です。
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