弔事なんでもガイド
逝去から葬儀に至るまでに行うこと
危篤~臨終
医師(主治医)からの危篤の説明があったら、家族や親戚、親友など、本人が最期に会いたいと思う人、あるいは会っておいて欲しいと思う人に連絡をします。
危篤である本人の意思とこれまで面倒を見て来た人(配偶者や子など)の判断となりますが、親子や兄弟姉妹といった肉親には可能な限り連絡を入れるのが望ましいでしょう。近親者は日頃の付き合いが疎遠になっている場合でも「知らせてほしかった、最期に見送りたかった」と思う人が多いものです。できるだけ後悔を残さず、皆であたたかい気持ちで見送ることが、残されたものの務めです。
死亡診断~ご遺体の安置
医師によって死亡が確認されると、臨終に立ち会った家族に告げられます。
人が亡くなると、「湯灌(ゆかん)」と呼ばれる、ご遺体を湯で洗い清める儀式が行われますが、現在は、アルコールを含ませた脱脂綿などでご遺体を清める形に簡略化されています。その後、髪や顔などを整えて化粧を施し、死装束や故人が愛用していた衣服に着替えて身だしなみも整えます。この一連のご遺体のケアは「エンゼルケア」と呼ばれ、きれいな姿で死への旅に送り出す意味があります。病院で亡くなった場合には、看護師などがこのケアを行ってくれます。
臨終に立ち会った人全員が、故人への惜別の意味を込め、水に浸したガーゼなどで唇を拭うことを、「末後の水・死に水をとる」と言います。この儀式は臨終の直後に病院で行う場合と、ご遺体を安置場所に搬送した後に行う場合があります。
死亡診断書/死体検案書
ご遺体を搬送するためには「死亡診断書」または「死体検案書」が必要になります。病院で亡くなった場合は担当医師に、自宅で亡くなった場合はかかりつけの医師の診断を受け、「死亡診断書」を書いてもらいます。孤独死など死亡原因が分からない場合は、警察署に連絡して監察医の検視を受け、「死体検案書」を書いてもらう流れになります。「死亡診断書」「死体検案書」をもって法的に死亡が確認されますので、必ず必要な書類です。どちらも有料です。
▼ 続きを読む死亡届
死亡診断書(死体検案書)を持って、死後7日以内に役所(故人の本籍地、届出人の住所地、死亡場所のいずれか)に「死亡届」を提出します。死亡届が提出できる人は親族、同居人、家主、地主など法的に限定されていますが、葬儀社が提出することも可能です。
▼ 続きを読む火葬許可証
ご遺体の火葬を行うには、役所が発行する「火葬許可証」が必要です。役所に死亡届を提出する際、一緒に火葬許可証の申請を行うのが一般的で、死亡届が受理されると火葬許可証が発行されます。火葬許可証は、火葬当日に火葬場の事務所に提出します。
▼ 続きを読む葬儀の段取りを決める
日本には死亡が確認されてから火葬を行うまで、24時間は時間を空けるという法律があります。これは医療技術が発達していない時代に、死亡診断後に蘇生するケースがあったためにできた法律です。この法律に則って、通夜・葬儀・告別式を行うことになります。
亡くなった後はできるだけ速やかに葬儀社に連絡し、葬儀の段取りを行います。国内の葬儀社は仏式葬儀をメインとしているところがほとんどで、キリスト教式や神道式の葬儀については、設備がないなどの理由で対応しない葬儀社もありますので、確認が必要です。
ご遺体の安置場所を決める
病院で亡くなった場合は、葬儀を行うまでの間ご遺体を病院の遺体安置室に安置して搬送する場合と、葬儀場もしくは自宅に搬送して安置する場合があります。葬儀社と相談して決めます。
葬儀を行う斎場を決める
菩提寺があったり、希望する斎場や信仰している宗派がある場合は、速やかに葬儀社に伝えます。伝えるのを怠ると、葬儀社の選定で斎場が決まってしまいます。菩提寺や希望の斎場がある場合でも他の葬儀の予定が入っていると、日程を遅らせるか別の斎場にするかなど調整が必要になるので、葬儀社に提案してもらうのが良いでしょう。
▼ 続きを読む日程を決める
お通夜・葬儀の日程を決めるには、斎場の確保と火葬場の確保が前提となりますので、葬儀社と喪主が調整・相談しながら決定します。
人口が密集している地域や年末~3月迄の季節によっては、斎場や火葬場が混雑して、1~2週間以上先まで一杯ということもあります。また暦の友引(ともびき)は、「友を引き寄せる日」として結婚式などの慶事には良い日とされますが、弔事では「死者が友人を呼ぶ」という迷信から、葬儀を行わないのが一般的です。
葬儀スタイルを決める
信仰している宗教、出席人数などを元に葬儀の形式を決めます。 近年は高齢化に伴ってシンプルな葬儀の需要が高まり、たくさんの人が参列する葬儀から、家族や親族、少数の友人などで行う葬儀が増えています。お通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬のみを行う「一日葬」、またお通夜も告別式も行わず、ご遺体の火葬のみを行う「火葬式(直葬)」というものもあります。
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