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年中行事

土用(どよう)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

土用は、7つの雑節(注1)のうちの1つで年に4回訪れる、立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指します。 4つの土用はそれぞれ「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」とも呼ばれています。 また、土用は雑節(ざっせつ)と呼ばれ、季節の移り変わりをより的確につかむために設けられた暦日(こよみで定められた日)の1つです。 各土用の最初の日を「土用の入り(どようのいり)」と呼び、最後の日は「節分」となります。

日付や時期

冬は1月17日頃から、春は4月17日頃から、夏は7月20日頃から、秋は10月20日頃からです。元は旧暦(注2)で定められており、新暦では年により日が変わる場合があります。
日本の国立天文台では、暦要項の雑節(理科年表にも掲載されています)として推算しており、定気法(注3)によって各土用の入り日が算出されます。現行の新暦(注4)では、太陽黄経(たいようこうけい)が297度、27度、117度、207度となる日とされ、それぞれ春、夏、秋、冬の土用の入りとしています。

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由来・起源・制定

五行(古代中国の説で5つの元素。人間の生活に必要な5つの材料。また、宇宙・人生のすべてを説明する原理。木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)の総称)では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割り当てています。残った土気は季節の変わり目に割り当てられ、これを「土旺用事」「土用」と呼んだことがその由来です。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

土用の行事食には、あんころ餅である「土用餅」、土用の時期に採れて栄養価が高いとされる「土用しじみ」、土用の時期にニワトリが産み落とした「土用卵」などがあります。
また“土用の食い養生”と称される食習慣があり、春の土用の丑には「い」、夏の土用の丑には「う」、秋の土用の丑には「た」、冬の土用の丑には「ひ」の付く食べ物をとると良いとされています。特に夏の土用の丑の日には鰻を食べる風習が江戸時代から見られます。

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脚注

(注1)雑節:旧暦(太陰太陽暦)で二十四節気以外に、季節の移り変わりをより適確に掴むために設けられた特定の日、または期間。
(注2)旧暦(太陰太陽暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられていた太陰太陽暦のこと。月の満ち欠けを主な基準にして決めた暦。
(注3)定気法:二十四節気を配置する方法の1つで、 周天を24等分し、太陽が1等分点を通過するごとに1つの節気の日付を定めたもの。
(注4)新暦:ローマ教皇グレゴリウス13世が制定し、1582年10月15日金曜日から執行されている暦法。 現在「太陽暦」として世界各国で用いられており、「新暦」と呼ばれる。日本では旧暦(太陰太陽暦)に代わって、1873(明治6)年から採用されている。

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