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復活祭(イースター)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

復活祭は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが3日後に復活したことを祝うお祭りです。キリスト教においては、クリスマスと並んで最も重要な祭の一つです。

日付や時期

復活祭は移動祝日であり、元々太陰暦(注1)に従って決められた日であったため、年によって太陽暦(新暦)(注2)での日付や時期が変わります。春分後の最初の満月の次の日曜日に行います。新暦を用いる西方教会(注3)では、毎年3月22日から4月25日の間のいずれかの日曜日、東方教会(注4)では、新暦の4月4日から5月8日の間のいずれかの日曜日にお祝いします。

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由来・起源・制定

ギリシア語: Πάσχα(古典ギリシア語再建音:パスカ、現代ギリシア語転写:パスハ)に由来しており、その言葉も元をたどれば、アラム語の「パスハ(pascha)」で、これはユダヤ教の「過越(すぎこし)の祭り」を表す「ペサハ(Pesach)」というヘブライ語の言葉から来ています。キリスト教の復活祭が旧約聖書の「過越の祭り」を雛形とした祝い日であることを示しています。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

正教会(注5)、カトリック教会(注6)、聖公会(注7)、ルーテル教会(注8)においては、復活祭(復活大祭、復活日)の前にイエスの荒野での試みや十字架の受難を記念する「40日間」が設けられています。教会では、キリスト教の教会の一致の祈りと交わりのための朝祷会や断食祈祷聖会がもたれています。ラテン語でQuadragesima、英語では古ドイツ語の「断食」を語源とするLentと標記されますが、日本語においては四旬節(カトリック、ルーテル他)、大斎節(たいさいせつ、日本聖公会)、大斎(おおものいみ、正教会)のように呼び名が異なります。また、開始日や数え方も教派ごとに違いがあります。
正教会における復活大祭当日における奉神礼は、一般の暦でいう前夜に始まり、聖務である夜半課(夜半)(注9)、早課(夜明け)(注11)、一時課(早朝)(注12)、聖体礼儀と続けて行われます。夜半課と早課の間には十字行が行われ、普段は誦経 (正教会)される部分も詠隊によって歌われる聖歌となります。これらの奉神礼の際、「ハリストス復活!」「実に復活!」という挨拶が繰り返し交わされ、パスハの讃詞が繰り返し歌われます。またこの祈祷の最中に、復活の生命を象徴する赤く染められた卵が成聖されて参祷者に配られます。
イースターバニーは、復活祭の卵(イースター・エッグ)を運んでくるウサギのキャラクターで、現在では卵の色も赤だけでなくカラフルになっています。
西方教会と東方教会では、伝統的に四旬節および大斎の期間中禁じられていた肉、乳製品、卵(東方教会では魚肉も)が復活祭の日に解禁になるため、復活祭の正餐の食卓にはこれらの動物性食品が並びます。また、卵、バター、乳などをふんだんに使った復活祭独特の菓子パンやケーキが作られます。
日本での復活祭は1564年に平戸の度島(長崎県)で行われていました(ルイス・フロイス『日本史』第50章より)。4月2日の復活祭ではキリシタンたちは一番上等な着物に身を包み、行列を着作って島内を練り歩いたとされています。

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贈答品などについて

イースターにはクリスマスのようにプレゼント交換の慣習はありません。

脚注

(注1)太陰暦(旧暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられた太陰太陽暦を言う。月の満ち欠けと太陽の動きを元に作られた暦。
(注2)太陽暦(新暦):ローマ教皇グレゴリウス13世が制定し、1582年10月15日金曜日から執行されている暦法。 現在「太陽暦」として世界各国で用いられており、「新暦」と呼ばれる。日本では旧暦(太陰太陽暦)に代わって、1873(明治6)年から採用されている。
(注3)西方教会:ローマ・カトリック教会のこと。
(注4) 東方教会:中東・ギリシャ・アナトリア・東ヨーロッパに広がり成長したキリスト教諸教派の総称。
(注5)正教会:キリスト教の教会の1つで、「ギリシャ正教」もしくは「東方正教会」とも呼ばれる。
(注6)カトリック教会:ローマ教皇を最高指導者として全世界に12億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派、または教会。
(注7)聖公会:イングランド国教会の系統に属するキリスト教の教派で、「アングリカン・チャーチ」とも言う。
(注8)ルーテル教会:ドイツの宗教改革者マルティン・ルターによって始まったキリスト教の教派または教団。プロテスタントの最大教派の1つ。
(注9)夜半課:時を定めて行われる日々の祈り。正教会における復活祭の儀式の1つ。午前0時に行われる。
(注10)早課:時を定めて行われる日々の祈り。正教会における復活祭の儀式の1つ。午前3時に行われる。
(注11)一時課:時を定めて行われる日々の祈り。正教会における復活祭の儀式の1つ。午前6時に行われる。
(注12)聖体礼儀:正教会における最も重要な奉事・祈り。復活祭の儀式の1つ。

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