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年中行事

小満(しょうまん)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

小満とは、草木が周囲に満ち始めるころ。二十四節気(にじゅうしせっき)(注1)の1つで、第八の四月中(注2)です。現在広まっている定気法(注3)では太陽黄経(たいようこうけい)(注4)が60度に達する日を指します。  

日付や時期

5月21日頃。元は旧暦(注5)で定められており、新暦(注6)では年により日が変わる場合があります。期間としての意味もあり、この日から次の節気の芒種(注7)までの間を指します。

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由来・起源・制定

二十四節気は、紀元前の中国中原(ちゅうげん)、中華文化の発祥地とされる黄河中下流域にある平原の気候や気温を考慮して作られた暦です。中国から日本に伝わったのは飛鳥時代と言われますが、地理的な関係から日本の気候や気温とは言葉的なズレや意味的なズレが発生することがあるとも言われています。日本でも使用されていた旧暦(太陰太陽暦)ですが、月の満ち欠けを元にしているために1ヶ月が約29日しかなく、太陽の公転による季節の動きとは1年で11日ほどズレが生じてしまうのです。数年に一度、閏月(うるうづき)を設けて13ヶ月ある年を作ることで対応していましたが、暮らしの上では不便でした。そのため太陽の動き(黄道)を元に1年を24等分して、季節の節目を表す言葉が付けられました。
日本では、江戸時代に太玄斎(常陸宍戸藩の第5代藩主松平頼救)が記した暦についての解説書『暦便覧(こよみべんらん)』において、「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されています。このことなどによって、小満は、万物が次第に成長して一定の大きさに達してくる頃と一般に理解されるようになりました。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

「全てのものが次第に成長して、天地に満ち始める頃」を表しています。農耕を主としていた時代には、秋にまいた麦の種などがちょうど穂をつける時期でもありました。

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脚注

(注1)二十四節気:1年を太陽の動き(黄道)によって24等分し、それぞれに季節を表す名前と付けたもの。農業などのための季節の指標。
(注2)四月中:二十四節気は、節と中が交互にあり、その四月中。
(注3)定気法:二十四節気を配置する方法の1つで、 周天を24等分し、太陽が1等分点を通過するごとに1つの節気の日付を定めたもの。
(注4)太陽黄経:太陽が天球上を通る経路(黄道)を等角に分割した座標。 特に春分点を座標ゼロとして360度に当分したもの。
(注5)旧暦(太陰太陽暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられていた太陰太陽暦のこと。月のみちかけと太陽の動きをもとにつくられた暦。
(注6)新暦:ローマ教皇グレゴリウス13世が制定し、1582年10月15日金曜日から執行されている暦法。 現在「太陽暦」として世界各国で用いられており、「新暦」と呼ばれる。日本では旧暦(太陰太陽暦)に代わって、1873(明治6)年から採用されている。
(注7)芒種:二十四節気の1つで9番目の五月節。新暦6月6日頃。

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