年中行事
処暑(しょしょ)
出典:IBC冠婚葬祭辞典
処暑とは、二十四節気(にじゅうしせっき)(注1)の1つで、第十四の七月中(注2)です。現在広まっている定気法(注3)では太陽黄経(たいようこうけい)(注4)が150度に達する日を指します。
日付や時期
8月23日頃。元は旧暦(注5)で定められており、新暦(注6)では年により日が異なる場合があります。期間としての意味もあり、この日から次の節気の白露(注7)前日までを指します。
▼ 続きを読む由来・起源・制定
二十四節気は、紀元前の中国中原(ちゅうげん)、中華文化の発祥地とされる黄河中下流域にある平原の気候や気温を考慮して作られた暦です。中国から日本に伝わったのは飛鳥時代と言われますが、地理的な関係から日本の気候や気温とは言葉的なズレや意味的なズレが発生することがあるとも言われています。日本でも使用されていた旧暦(太陰太陽暦)ですが、月の満ち欠けを元にしているために1ヶ月が約29日しかなく、太陽の公転による季節の動きとは1年で11日ほどズレが生じてしまうのです。数年に一度、閏月(うるうづき)を設けて13ヶ月ある年を作ることで対応していましたが、暮らしの上では不便でした。そのため太陽の動き(黄道)を元に1年を24等分して、季節の節目を表す言葉が付けられました。
▼ 続きを読む行事や風習・慣習、季節に関する事項
暑さが峠を越えて後退し始める頃です。処暑を過ぎると台風シーズンが本格化し、雑節の「二百十日(にひゃくとおか 立春から数えて210日/9月1日頃)」(注8)や「二百二十日(にひゃくはつか 立春から数えて220日/9月11日頃)」(注9)は、ともに台風襲来の特異日とされています。
▼ 続きを読む脚注
(注1)二十四節気:1年を太陽の動き(黄道)によって24等分し、それぞれに季節を表す名前と付けたもの。農業などのための季節の指標。
(注2)七月中:二十四節気は、節と中が交互にあり、その七月中。
(注3)定気法:二十四節気を配置する方法の1つで、 周天を24等分し、太陽が1等分点を通過するごとに1つの節気の日付を定めたもの。
(注4)太陽黄経:太陽が天球上を通る経路(黄道)を等角に分割した座標。 特に春分点を座標ゼロとして360度に当分したもの。
(注5)旧暦(太陰太陽暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられていた太陰太陽暦のこと。月のみちかけと太陽の動きをもとにつくられた暦。
(注6)新暦:ローマ教皇グレゴリウス13世が制定し、1582年10月15日金曜日から執行されている暦法。 現在「太陽暦」として世界各国で用いられており、「新暦」と呼ばれる。日本では旧暦(太陰太陽暦)に代わって、1873(明治6)年から採用されている。
(注7)白露:二十四節気の1つ。秋の彼岸の中日で、新暦の9月21日頃に当たる。
(注8)二百十日:雑節の1つで、立春から210日目。台風の襲来が多く厄日とされる。
(注9)二百二十日:雑節の1つで、立春から220日目。二百十日と同じく、台風の襲来が多く厄日とされる。
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