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端午(たんご)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

端午とは、五節句(注1)の1つで、「端午の節句」「菖蒲の節句」(注2)とも呼ばれます。男の子の健やかな成長と幸福を願ってお祝いする行事です。

日付や時期

5月5日

由来・起源・制定

この日は別名「菖蒲の節句」とも言い、元々は厄除け・魔除けが行われる日でした。現在のように男の子の節句になったのは、「菖蒲(しょうぶ)」の音が「勝負」や「尚武」(注3)と同じ読みであること、また菖蒲の葉の形が剣を連想させることなどから、との説が一般的です。
旧暦では午の月は5月に当たり、5月の最初の午の日を節句として祝っていたものが、後に、5が重なる5月5日が「端午の節句」の日になりました。
端午節に菖蒲などの多種の薬草を厄除けに用いることは中国の南朝梁・隋朝(注4)の文献に記されており、菖蒲は刻んで酒に混ぜて飲む、とあります。
日本では、菖蒲を髪飾りにした人々が宮中の武徳殿(注5)に集い、天皇から薬玉(くすだま:薬草を丸く固めて飾りを付けたもの)を賜りました。かつての貴族社会では、薬玉を作り、お互いに贈り合う習慣もありました。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

お祝いの食事会を催すときは、ちまきや柏餅などで祝いの膳を用意します。赤飯や鯛のかぶと煮なども縁起がいいとされています。男の子の成長を祝い、健康をお祈りします。鎧、兜、刀、武者人形や金太郎(注6)・武蔵坊弁慶、鍾馗様(注7)を模した五月人形などを室内の飾り段に飾り、庭前に鯉のぼりを立てるのが、現在に至る典型的な祝い方です(ただし「鯉のぼり」が広まったのは江戸時代になってからで、関東の風習として一般的となりましたが、京都を含む上方では、当時は見られない風習でした)。鎧兜には、男子の身体を守るという意味合いが込められており、菖蒲を浮かべた菖蒲湯に入浴することも一般的な風習です。

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贈答品などについて

決まりはありませんが、お祝いの食事会に招かれた場合は菖蒲の花やケーキ、子供にはおもちゃや文具などを贈るのが一般的だと言われています。
初節句には、五月人形(武者人形)を祖父母が贈ることがあります。母方の祖父母が贈るのが一般的だとされていましたが、現在では特に決まりはありません。両親が祖父母と相談して決めることが多いです。

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お金に関する事項

初節句の場合、主には親戚がお祝い金を渡すことがありますが、5,000円から1万円が相場だと言われています。

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返礼やお返しについて

身内の行事なので、一般的にはお礼やお返しは必要ありません。親戚などからいただいたお祝いに対しては、食事をもてなすことがお礼になります。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

贈答品にのし紙をかける場合やお金を包む場合、水引は赤白の花結で、表書は「初節句御祝」とします。「御祝」だけでも構いません。水引下段に氏名を書きます。

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服装やマナーなど

大人子供ともに、初節句の服装において明確な決まりはありません。食事会を催すときは、お店の雰囲気や参加者の顔ぶれに合わせた服装を心がけます。

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脚注

(注1)五節句:1年間にある5つの節句。人日(じんじつ/1月7日)、上巳(じょうし/3月3日)、端午(たんご/5月5日)、七夕(しちせき/7月7日)、重陽(ちょうよう/9月9日)。
(注2)菖蒲:池、川などに生える多年生の植物。
(注3)尚武:武道・軍事を尊ぶこと。
(注4)南朝梁・隋朝:中国の南北朝時代に江南に存在した国。隋朝は581~ 618年に渡る中国の王朝。
(注5)武徳殿:平安京大内裏の殿舎の1つ。 騎射(うまゆみ) ・ 競べ馬などのときに天皇がこの殿舎で観覧した。
(注6)金太郎:平安時代の武将・坂田金時(さかたきんとき)の幼名。坂田金時の子供時代を描いたとされる「金太郎」を主人公とした怪童伝説、昔話のこと。
(注7)鍾馗様:主に中国の民間伝承に伝わる道教系の神。日本では、疱瘡除けや学業成就に効があるとされる。

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