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教会結婚式/キリスト教の結婚式(きょうかいけっこんしき/きりすときょうのけっこんしき)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

教会結婚式とは、キリスト教の教会で執り行う結婚式です。式場やホテルに併設されたチャペルで行う「チャペル結婚式」、教会で行う「教会結婚式」があります。神父(注1)(司式)または牧師(注2)により執り行われ、神に永遠の愛を誓う形式が一般的です。日本国内のキリスト教信者は約1%と言われているので、実際には「キリスト教風の結婚式」と言った方がよいかもしれません。 カトリック(注3)の教会は、新郎新婦のどちらかがカトリックの信者でないと挙式できないところが多いようです。プロテスタント(注4)の場合は信者でなくても、結婚式を受け入れてくれるところがほとんどです。

由来・起源・制定

日本国内で最初に教会式を挙げたのは、外国人牧師と結婚した日本女性で、1876(明治6)年のことだとされています。
キリスト教の主な結婚式は、ヨーロッパに信者が多いカトリックと、そこから派生し、アメリカに信者の多いプロテスタントです。他にも多くの宗派はありますが、日本ではこの2宗派が主流です。
ウエディングドレスは、19世紀にイギリスのヴィクトリア女王(注5)が着用したことがきっかけで広まりました。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

■代表的な教会式の流れ(例)
1. ゲスト入場
最初にチャペル(会場)に招待客が入場します。祭壇に向かって、右に新郎のゲスト、左に新婦のゲストが座ります。入場や写真も新郎の左側に神父が立ちます。新郎は右利きが前提ですが、右手に剣をもって新郎を守る意味だそうです。席順は、前から「父母→兄妹→親族→友人・知人」です。
2. 開式の辞
司式者(式の進行をする人)である牧師が、結婚式の開式を宣言します。
3 .新郎入場
ゲスト全員が立ち上がり、新郎を迎え入れます。新郎は入場した後、祭壇の前で待機します。
4. 新婦入場
新婦は父親のエスコートのもと、バージンロード(注6)を歩いて入場します。祭壇の前で、父親から新郎にバトンタッチされます。
5. 讃美歌を歌う
出席者全員で、讃美歌を歌います。
6 .聖書の朗読と神への祈り
牧師が、聖書の中から結婚にふさわしい愛の教えを朗読。その後、神に祈りを捧げます。
7. 誓いの言葉
牧師が新郎へ「病めるときも、健やかなるときも、愛をもって互いに支えあうことを誓いますか?」と問いかけます。新郎は「誓います」と答えます。新婦にも同じように牧師から問いかけが行われ、「誓います」と返事をします。
8. 指輪の交換
誓いの証として指輪を交換します。最初は新郎から新婦へ、次に新婦から新郎への順になります。相手の左手を取っての薬指に指輪をはめます。
9 .「結婚証明書」
2人が晴れて夫婦となったことを牧師が宣言し、その後に新郎新婦は「結婚証明書」に署名します。続いて証人または牧師が署名をします。
10. 閉式の辞
2人の「結婚成立」が牧師から参列者へ宣言され、閉式となります。
11 .新郎新婦の退場
出席者全員でもう一度讃美歌を歌い、その後、新郎新婦は腕を組み、バージンロードを歩いて退場します。

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贈答品などについて

参列者などからの新郎新婦への贈答品は、結婚祝いを参照のこと。

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お金に関する事項

教会式の費用はチャペル使用料・聖歌隊・オルガニストなどの費用を含めて、40万円~45万円ほどが目安です。
参列者などからの新郎新婦へのお祝い金は、結婚祝いを参照のこと。

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返礼やお返しについて

新郎新婦からの返礼については、結婚祝いを参照のこと。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

教会への謝礼は、カトリック・プロテスタント問わず、白い封筒に「感謝」などといった表書をし、神父や牧師へのお礼は、「御礼」という表書にして渡します。
お祝いの品やお祝い金の包みや表書きは、結婚祝いを参照のこと。

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服装やマナーなど

教会にもよりますが、新郎・新婦の服装の決まりは特にありません。外国由来の行事と言うなので、洋装の正礼装が一般的です。新郎はモーニング、燕尾服(えんびふく)を着る人もいますが、準礼装のファンシータキシードを着る人が多く、新婦はウエディングドレスが圧倒的に多いようです。基本的には式に続いて開かれる披露宴も同じ服装です。
両親の服装も、教会にもよりますが特に決まりはないので、和装でも洋装でもどちらでもよく、正装にこだわらなくても構いません。

【男性出席者の服装】
フォーマルな服装で出席するのが基本です。昼間(日中)の式であれば「モーニング」、夜であれば「燕尾服(えんびふく)」または「タキシード」が正礼装で、主には新郎新婦の父親が着用します。
準礼装と言われるのは、昼間の式であれば「ディレクターズスーツ」、夜であれば「ファンシータキシード」です。ディレクターズスーツとは、ブラックのジャケット、ブラックとグレーのストライプのスラックス(コールパンツ)組み合わせのスーツのことです。ファンシータキシードとは黒や濃紺、白以外のタキシードの総称で、カラフルな色や柄のジャケットに黒のスラックスを合わせるものです。
略礼装と言われるのは、昼夜に関係なく、黒またはダークカラーのスーツです。
親戚・親族、職場の上司、同僚、部下後輩、友人・知人などは、準礼装、略礼装を着用することが多いです。
その他、シャツ、ネクタイ、ポケットチーフは、白が基本です。靴、靴下は黒で、靴下はくるぶしが見えないものを着用します。

【女性出席者の服装】
男性と同じように、フォーマルな服装を選びます。留袖(注7)やアフタヌーンドレス(昼)、イブニングドレス(夜)が正装に当たりますが、一般的には新郎新婦の母親が着ることが多いです。
その他の親族や同僚・友人の女性は、洋装であれば肌の露出は控えた、膝が隠れる丈のフォーマルなドレス、ノースリーブドレスの場合はボレロ(注8)やショール(注9)を羽織るようにします。また着物もフォーマルと位置づけられるので、訪問着(注10)や付下げ(注11)、未婚であれば振袖(注12)も結婚式にふさわしいとされます。

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その他の事項(宗教に関する事など)

日本における教会式は、カトリックとプロテスタントの2宗派が主流です。プロテスタントの教会は、新郎新婦の宗教に関係なく式を執り行ってくれるところがほとんどですが、カトリックの場合は信者であることを前提とする教会が多いです。

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脚注

(注1)神父:正教会・東方諸教会・カトリック教会で、司祭に対して呼びかける際に用いられる敬称。
(注2)牧師:キリスト教のプロテスタントの教職者。
(注3)カトリック:ローマ教皇を最高指導者として全世界に12億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派。
(注4)プロテスタント:16世紀の宗教改革運動の後、カトリック教会から分離して成立したキリスト教の教派。特に福音主義を理念としている。
(注5)ヴィクトリア女王:18歳で即位した英国の女王(在位1837年―1901年)。
(注6)バージンロード:キリスト教式の結婚式において、結婚式場の入り口から祭壇に至る通路およびそこに敷かれる布。
(注7)留袖:留袖:既婚女性が着用する最も格の高い和服の礼装。
(注8)ボレロ:前開きで丈が胴より短いジャケット。スペインの闘牛士の衣裳のデザインを、婦人服や子供服に取り入れたもの。
(注9)ショール:装飾や防寒を目的として、肩や上半身に掛けて着用する衣類の1種。
(注10)訪問着: 留袖の次に格式の高い女性用の着物。既婚・独身に関係なく、様々な年齢の女性が着用できる。
(注11)付下げ:準礼装着とされる女性用の着物。訪問着に次ぐ格式。
(注12)振袖:身頃と袖との縫いつけ部分を少なくして「振り」を作った袖丈の長い着物。未婚の女性が正装として用いる。

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