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定年退職祝い(ていねんたいしょくいわい)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

定年とは、企業や団体、官公庁に勤める正規雇用者で、勤務先が規定する一定の年齢に達したら仕事を退職・退官することを言います。同一の企業に数十年という長い年月就業し、定年を迎える人が多いことから、職場で祝われることもよくあり、また知人・友人、家族などがお祝いをします。

日付や時期

通常、企業や団体、官公庁の制度で定年の年齢が定められていることが多いです。個人の誕生月に合わせて退職することを制度としているところや、年の決まった月(例えば6月と12月に)に、該当者が退職することを制度化しているところ、会計年度で区切るところなどがあります。

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由来・起源・制定

日本の企業の正社員と公務員は、その大部分が定年制を導入しています。
1959(昭和24)年、第2次岸内閣 (改造)によって国民年金法(注1)が成立し、国民年金(注2)が導入されました。1950(昭和25)年の調査で、男性58歳、女性61.5歳であった日本人の平均寿命は、1960(昭和35)年には男性65.32歳、女性70.19歳、1970(昭和45)年には男性69.31歳、女性74.66歳、1980(昭和55)年には男性73.35歳、女性78.76歳と格段に伸びていましたが、多くの企業においては「55歳が定年退職」としていました。
1986(昭和61)年の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正で、60歳定年が企業への努力義務に、1994(平成6)年の改正で60歳未満定年制が禁止(1998年[注釈 4]施行)されたことで、60歳が日本の標準的な定年になりました。さらに2000(平成12)年に企業に対して、65歳までの雇用確保措置を努力義務化し、2004(平成16)年に企業に対して、65歳までの雇用確保措置の段階的義務化。2012(平成24)年には企業に対して、希望する労働者全員を65歳まで継続雇用することが義務化されました。2022(令和4)年の時点では、70歳までの就業確保措置が努力義務となっています。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

職場の朝礼で、その職場の責任者から感謝と労いの言葉とお花や記念品を贈り、本人が挨拶をすると言った、簡単な行事が行われる会社、団体や官公庁が多いとされています。また、別途お祝いの食事会を催す職場も多いそうです。家族や親族も、長年の労をねぎらって食事会をすることも一般的です。

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贈答品などについて

定年退職の贈り物には、もらう人の趣味に関する物、花・フラワーギフト、入浴剤、アロマ・ハーブ、マグカップ、食器、酒器、記念品(卓上、壁掛け)などの人気が高く、カタログギフトも多いようです。

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お金に関する事項

定年退職も含む、退職者への餞別の目安は、個人で渡す場合には、同僚の場合は3,000円から1万円、上司へは5,000円から2万円が一般的だと言われています。 職場のメンバーが出し合ってお祝い金を包む場合もありますが、この場合でも高くても1人3,000円程度です。お祝い金は新札を用意します。
定年退職の場合、贈る相手は目上の人になるので、「御餞別」という名目にすると失礼と受け取られることがあるので、注意が必要です。

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返礼やお返しについて

餞別へのお返しや返礼は、基本的に必要ありません。お礼状は、感謝の気持ちを伝えるのに良いかもしれません。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

お祝いの品やお金に付ける水引は紅白の「花結」で、表書は「御祝」で構いません。ただしこれらは、定年をめでたく思っていない人には不向きですので、その場合は「御礼」「感謝をこめて」などの表書にします。

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服装やマナーなど

文房具を贈り物にすると、「もっと勉強するように」という意味があると誤解される可能性があるので、目上に人に贈るのは失礼だという人もいます。ハンカチ類も「切れる」「別れる」につながるという理由ではなむけにならないという人もいますので。避けたほうが無難かもしれません。

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脚注

(注1)国民年金法:1959年に制定された、公的年金制度に関する日本の法律。老齢,障害または死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し,もって健全な国民生活の維持および向上に寄与することを目的とする。
(注2)国民年金:日本の公的年金のこと。

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