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出産祝い(しゅっさんいわい)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

出産祝いとは、無事に赤ちゃんが産まれてきたことを祝って贈り物をすることです。 以前は妻の実家がお祝い品を贈ることを言いましたが、現在では友人や親戚、職場などからも祝われるようになりました。

日付や時期

出産祝いを贈る場合、生後7日〜1ヶ月頃までの間に手渡しするか、宅配便などで送るようにしましょう。生後7日目は名前をお披露目する儀式である「お七夜(おしちや)」(注1)に当たり、多くの地域で生後1ヶ月頃には赤ちゃんの今後の健康を祈る「お宮参り」(注2)が行われます。このように赤ちゃんにとって重要な2つの行事の間の期間を目安として出産祝いを贈るのが良いとされています。生後7日目以降であれば出産した病院を退院して自宅や実家に戻っている方も多くいます。宅配便などで出産祝いを送る場合は、いつ頃どこにギフトを送ればよいか確認しておくとよいでしょう。ただし、帝王切開(注3)の場合やそのほかの都合などで生後7日目以降も退院していないケースも少なくありません。また退院している場合でも退院してきたばかりで落ち着いていないという方も多いでしょう。相手の都合も聞いた上で、生後2週間〜3週間頃を目安に渡せるよう手配することをおすすめします。

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由来・起源・制定

諸説ありますが、平安時代の『産養い(うぶやしない)』という儀式の形が変わったものが、出産祝いの始まりと言われています。産養いとは平安時代、貴族の家に子どもが生まれた時に行われていたしきたりです。生後3日、5日、7日、9日の夜に家族や親戚が集まり祝宴を開き、手作りの衣服や食べ物を赤ちゃんに贈ってお祝いしました。
お七夜やお宮参りも同じように、産養いに由来するとされています。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

「出産祝い」「出産内祝い」は、平安時代から夫が妻の家に通う故事に習って行われてきた歴史のある風習と言われています。かつて「出産祝い」は妻の実家が行うもので、男の赤ちゃんが産まれた場合には「熨斗目模様の紋付広袖」を、女の赤ちゃんが産まれた場合には「友禅模様(注4)の紋付の着物」を贈り、お宮参りにその着物を着せて成長を祝うものでした。「出産内祝い」とともに古くから行われてきました。

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贈答品などについて

出産祝いは、宅急便などで自宅や実家に送ることをおすすめします。
お祝い品としては、おむつをケーキのように装飾した「おむつケーキ」をはじめ、タオル、おくるみ、授乳用品、ベビー服などの人気が高いようです。

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お金に関する事項

出産祝いとして現金や商品券を包む場合もあります。現金を包む場合は新札を用意しましょう。
お祝い金の目安は、出産した本人または夫の親は3万円~10万円、兄弟姉妹は1万円~5万円、親族は1万円~3万円、友人・知人(近隣の人など)は3,000円~1万円、上司・先輩は5,000円~1万円、同僚・部下は1,000円~5,000円です。

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返礼やお返しについて

「出産内祝い」は出産祝いをいただいた人へのお返しのことです。内祝いとは本来、「内々の祝い」「身内の祝い」という意味があり、お祝いごとのあった人がその喜びを分かち合うため、親しい方や身内を家に招いて赤ちゃんのお披露目をして飲食をともにすることでした。今は、その代わりに品物を贈るようになりました。
内祝いの目安は、いただいた品やお祝い金の1/3から半額の半返しが目安ですが、お金で返すのではなく、品物でお返しします。カタログギフト、スイーツ、日用品(タオルなど)、アロマ・ハーブ、商品券、ギフトカード、雑貨などの人気が高いです。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

出産祝い品やお金を贈る際の水引は、赤白の「花結」で、表書は「御出産御祝」などとします。水引下には名入をし、個人で贈る場合は基本的にはフルネームとします。姓だけを書くのは、自分が目上の場合です。複数人で贈る場合は連名(苗字、氏名)、苗字は共通で名前を連名にする(名のみ連名)、法人名で贈る場合は、法人・団体名、部署、肩書、氏名などを記入します。
出産内祝いの水引は、赤白の「花結」で、表書は「内祝」「出産内祝」などとします。名入には、赤ちゃんの名前と読み仮名を記入します。

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服装やマナーなど

出産祝いの基本は、母子の健康を祝福するためのお祝いですので、出産前には贈らないように気を付けます。妊娠・出産の過程では何があるかわからないので、無事に出産できたという知らせを受けてから贈ります。
親しい人が出産した場合でも、産後の入院中に訪問してギフトを手渡しするのは避けたほうが無難です。出産後の入院中では出産時の疲れが癒えていない人も多くいますので、実の両親や兄弟姉妹といった間柄であればよいかもしれませんが、それ以外の人は入院中の訪問は避けましょう。
産後の入院中に花を贈るときは、鉢植えではなく切り花にしましょう。鉢植えは「根付く=寝付く」という言葉から縁起が悪いとされています。
ハンカチは「涙をぬぐう」という意味をも持つことからお祝いごとに向かないとされています。また刃物も「(縁を)切る」という意味合いがあるとされるので、お祝いの品としては適切ではありません。
一般的に贈り物を贈る際には、メッセージを添えるのがマナーとされています。メッセージ文に忌み言葉を使わないよう注意が必要です。忌み言葉には様々なものがありますが、出産祝いのメッセージにおいて避けたい言葉として「きる」「なくなる」「失う」「死ぬ」「消える」といったものが挙げられます。

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脚注

(注1)お七夜:赤ちゃんが生まれてから7日目に行う、生まれてきたことを祝う行事。
(注2)お宮参り:初宮参り。赤ちゃんが無事に生誕1か月目を迎えたことを産土神(うぶすながみ)に感謝して報告する行事。
(注3)帝王切開:難産などの時、妊婦の腹壁を切り開いて胎児を取り出す手術。
(注4)友禅模様:友禅染に用いられるような、多彩で絵画的な模様のこと。

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