冠婚葬祭
七五三(しちごさん)
出典:IBC冠婚葬祭辞典
七五三とは、7歳、5歳、3歳になる子供の無事と成長を祝う行事です。現代では男の子は5歳(関西は3歳と5歳)、女の子は3歳と7歳のとき、神社へお参りして祝うのが一般的です。子供が健康に育ったことを神様に報告して感謝を伝え、将来の祈願を行う奉告祭です。
日付や時期
明治以降は新暦(注1)の11月15日に行われるようになりましたが、現在では11月15日にこだわらず、11月中の土・日・祝日に行うことも多くなっています。北海道などの寒冷地では、10月15日に行うことも多いようです。
▼ 続きを読む由来・起源・制定
七五三の起源となる行事が始まったのは室町時代(1336〜1573年)で、当時は栄養失調や病気などで子供の致死率が50%以上あったとも言われ、3歳位まではの子育てには非常に大きな気遣いが必要とされていました。そのため子供の成長過程で無事に育ったことに感謝しながらお祝いし、さらに長寿を祈願する行事を行うようになったのが七五三の由来です。江戸時代に今の行事の原型ができ、明治時代にかけて全国に広がった言われています。
3歳、5歳、7歳という年齢で祝うようになった起源となる儀式が3つあります。
「3歳の髪置き」
平安時代から江戸時代にかけては、男女ともに3歳までは髪を剃っているのが普通で、3歳を機に髪を伸ばし始めます。それを祝うのが「髪置き」という儀式です。ちょうどこの年頃に現在の戸籍に相当する人別帳、氏子台帳(注2)に登録することも始まり、そのことも含めてお祝いするようになりました。
「袴儀」(はかまぎ)
男の子が5歳になると初めて袴を身につけます。それを祝う儀式です。平安時代には貴族階級が礼装としていた袴を着て祝うようになりました。
「帯解き」(紐落し)
女の子が7歳になると行う、大人同様に仕立てた着物を身につけて帯を結ぶ儀式です。室町時代から江戸時代になると、武家や裕福な商人たちの間で広まったこの慣習は、江戸時代末期(1750年頃 ~ 1850年頃)から男の子は5歳、女の子は7歳になると行うように変わりました。
明治時代にこの3つの儀式をまとめて「七五三」と呼ぶようになったと言われています。
行事や風習・慣習、季節に関する事項
子供の厄年と言われる、3歳、5歳、7歳の成長の節目に行います。
昔は数え年で行っていましたが、現在は満年齢で行うのが一般的です。また、年齢にこだわらず兄弟姉妹を一緒に祝う場合もあります。現在は、3歳と7歳が女の子、5歳が男の子(関西は3歳と5歳)でお祝いをします。神社で祈祷をしてもらうのが一般的ですが、この時期は神社も多忙ですので早めに予約されることをお勧めします。祈祷の後に神社から子供に縁起が良いとされる「千歳飴」(注3)を記念に贈られたり、親族が買い与えたりします。
贈答品などについて
千歳飴の他には決まったお祝いの品はありませんが、祖父母が祝い着を贈る場合があります。
お金に関する事項
お祝い金を包む場合の目安は3,000円~5,000円です。10月中旬から11月15日までに贈りましょう。
神社に渡す祈祷料である「初穂料」の金額は神社によって異なりますが、大体はホームページで公開されており、祈祷予約の際に聞くこともできます。一般的には1人5,000円から1万円です。
返礼やお返しについて
身内のお祝いのため、一般的に返礼やお返しは不要だと言われています。
のし紙・掛紙の水引や表書について
お祝いの祝儀袋は赤白の花結の水引で、のしを付けます。表書は「御祝」「祝七五三」で、水引の下段に氏名を書きます。神社への祈祷料の表書は「初穂料」、水引が花結で赤白ののし袋が一般的ですが、白い封筒でも構いません。
▼ 続きを読む服装やマナーなど
正式には年齢別に決まった衣装がありますが、最近ではこだわる人は少ないです。レンタル衣装を利用し、その後に控える入学式でも着られるということで洋装を選ぶ人も増えてますが、この機会に和の文化を再認識するのも良いものです。両親や親族の服装は、男性は背広、女性はスーツや着物が一般的です。
▼ 続きを読むその他の事項(宗教に関する事など)
神社で祈祷を受ける人が多いと思います。神社にお参りをする際は、まず鳥居で一礼し、参道の端を歩きます。手水舎で手と口を清め、神前の賽銭箱の前まで来たら、お賽銭を入れて鈴を鳴らし二礼二拍手し、手を合わせてお祈りします。その後、一礼し神前を離れます。鳥居をくぐって出た後、振り返って一礼します。
▼ 続きを読む脚注
(注1)新暦:ローマ教皇グレゴリウス13世が制定し、1582年10月15日金曜日から執行されている暦法。 現在「太陽暦」として世界各国で用いられており、「新暦」と呼ばれる。日本では旧暦(太陰太陽暦)に代わって、1873(明治6)年から採用されている。
(注2)氏子台帳:昔、神社で管理されていた戸籍に当たるもの。
(注3)千歳飴:七五三のお祝いに用いられる細長い棒のような飴。
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