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帯祝い(おびいわい)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

帯祝いとは、安産を祈願して、安定期に入る妊娠5ヶ月目に当たる戌の日に腹帯を巻く儀式です。「着帯式(ちゃくたいしき)」とも言われます。帯祝いに使われる帯は「岩田帯」と呼ばれます。

由来・起源・制定

江戸時代半ばまでは、腹帯をすると言う風習はなかったと言われています。
江戸時代中期以降、税の引き上げや飢饉(ききん)などで農民生活が苦しくなり、口減らしのための間引き(生まれた子を死亡させること)が少なくありませんでした。しかし帯祝いを済ませて生まれた赤ちゃんは育てられたと言われています。
戌の日に行うことになった由来は諸説あり、犬は多産で安産だからそれにあやかったと言う説や、犬は霊界と行き来する霊獣だからという説もあります。腹帯の起源は、新羅征伐に際して出産しそうになった神功皇后が巻いて出産を鎮めた、との故事が由来だとする説があります。
岩田帯には妊娠5ヶ月目で安定期に入り、目立ってきたお腹を保護すると共に「岩のように丈夫な赤ちゃんを」という願いが込められています。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

現代では白の腹帯を着用することが多いようです。神聖な色とされる白色の8尺(約2.4m)の腹帯を巻くことにより、邪悪なものから胎児を保護する意味があるとも考えられています。地域によっては紅白2色、黄色、うこん色(注1)などの腹帯を巻く伝統もあり、これに「寿」の文字、または神仏祈願の文字を書くこともあります。腹帯をした妊婦と共に夫や親族が、安産祈願の神社にお参りして、安産を祈るのが一般的です。

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贈答品などについて

帯は通常妊婦の実家から贈られ、着帯の儀式を行った後は親族による会食の祝宴が行われます。お祝いに品物を贈る場合、マタニティー用品などが人気です。

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お金に関する事項

帯祝いとして品物を贈ったり、お祝い金を包んだりするときの金額の目安は、妊婦の親は1万円~3万円、妊婦の義理の親や兄弟姉妹は5,000円~1万円、親戚・友人・同僚などは3,000円~1万円位が目安とされています。お祝い金は新札を用意するのが良いとされます。
神社で「安産祈願」の祈祷を行う場合の祈祷料は、初穂料の目安である5,000円程度を用意します。岩田帯を神社から頂く場合は、1万円程度が目安と言われていますが、近年は神社のホームページで祈祷料が掲示されている場合もあります。またお参りを予定している神社に直接問い合わせされてもよいでしょう。

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返礼やお返しについて

帯祝いの返礼は、一般的には不要と言われています。

のし紙・掛紙の水引や表書について

岩田帯を贈る際は、紅白の絹地二筋、白さらし木綿(注2)一筋を奉書に包み、赤白「花結」、関西では「あわじ結び」の水引をかけます。表書は「岩田帯」「祝いの帯」「寿」などとします。
帯以外の品やお祝い金を送る場合、水引は赤白の「花結」、表書は「御祝」などとします。
神社に納める祈祷料の水引は赤白の「花結」、表書は「初穂料」「玉串料」などとします。

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服装やマナーなど

神社に参る際、妊婦は身体を締め付けないワンピースなどの服装が良いでしょう。 暑い日には、帽子を被ったり扇子などを持っていったりすると良いかもしれません。男性は正装でなくても構いませんが、神社は神聖な場所であり、清潔できちんとした格好が望ましいです。

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その他の事項(宗教に関する事など)

通常は、安産祈願の神社にお参りします。まず鳥居で一礼し、参道の端を歩きます。手水舎で手と口、体の外と内を清めます。神前の賽銭箱の前まで来たら鈴を鳴らし、お賽銭を入れて二礼二拍手し、手を合わせてお祈りします。その後一礼し、神前を離れます。鳥居をくぐって出た後、振り返って一礼します。

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脚注

(注1)うこん色:少し赤みがかった黄色。 黄金色。
(注2)さらし木綿:漂白した綿織物。

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