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日本の祭祀・祭礼

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管絃祭(かんげんさい)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

管絃(注1)祭は、広島県廿日市市にある国宝・厳島神社(いつくしまじんじゃ)の祭礼行事です。天神祭(注2)(大阪府)、ホーランエンヤ(注3) (島根県)と並んで、「日本三大船神事」(注4)の1つとされています。船神事であることから、潮の干満を考慮し大潮の日に執り行われるようになりました。

日付や時期

6月17日

由来・起源・制定

厳島神社を崇敬して現在の姿に造営した平清盛が始めた祭りとされています。平安京で行われていた管絃遊び(池や川に船を浮かべ管絃を合奏する優雅な遊び)を、厳島神社の祀神を慰める神事として執り行うようになったと言われています。
平安時代、厳島は島全体が神とされ人が住むことが許されませんでした。そのため、対岸の地御前神社から厳島神社まで管絃船(祭神の御座船(注7))で管絃を合奏する神事を行っていましたが、鎌倉時代以降、島内に人が住むようになってからは厳島神社から管絃船が出御し、地御前神社を経由して還御(注8)する現在の形となりました。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

嚴島神社の御祭神が乗る御座船(管絃船)を造り、対岸にある摂社地御前神社までの海上を、舳先の左右に篝火を焚き、艫(とも)(注9)に上げた4個の高張提灯(注10)、二十数個の飾り提灯などに灯りを灯し、その灯火を暗い海に映しながら夕刻から深夜に掛けて瀬戸の海を渡っていきます。
潮が満ち、地御前神社前に御座船が入れるようになった頃、地御前神社からの御迎船が来ます。御迎船を水先に地御前神社前に到着した後、浜辺で祭典と管絃が奉奏されます。祭典後、御座船は三匝(3回廻ること)し、宮島の長浜神社に向かいます。長浜神社、大元神社と順次祭典を行い、大鳥居をくぐって、各神社の前で祭典と管絃の奉奏がされた後、さらに狭い桝形(注11)に入り、一気に御座船を三匝しながら管絃を奉奏します。

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お金に関する事項

お祭りの祭、神社にお金やお供え物を納める場合、1,000円~1万円が目安だとされています。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

お祭りの際に神社にお供え物を納める場合、のし紙の水引は赤白の「花結」で、表書きは「奉納」とするのが一般的です。名入には寄進をする人の氏名を水引の下段に入れます。お金を納める際のお金包みも同様とします。

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その他の事項(宗教に関する事など)

神社にお参りをする際は、まず鳥居で一礼し、参道の端を歩きます。手水舎で手と口、体の外と内を清めます。神前の賽銭箱の前まで来たら鈴を鳴らし、お賽銭を入れて二礼二拍手し、手を合わせてお祈りします。その後一礼して神前を離れ、鳥居をくぐって出た後、振り返って一礼します。

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脚注

(注1)管絃:管楽器と弦楽器。また、音楽を奏すること
(注2)天神祭(大阪府):大阪府大阪市北区天神橋の大阪天満宮の例祭。
(注3)ホーランエンヤ (島根県):島根県松江市で行われる城山稲荷神社の式年神幸祭の通称。
(注4)日本三大船神事:天神祭(大阪天満宮)、管絃祭(広島県・厳島神社)、ホーランエンヤ(島根県(注5)松江市・城山稲荷神社で10年に一度行なわれる)。
(注6)旧暦(太陰太陽暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられていた太陰太陽暦のこと。月の満ち欠けと太陽の動きもとにつくられた暦。
(注7)御座船:天皇・貴人の乗る船。または屋形船。
(注8)還御:天皇・三后・将軍・公卿(こうけい)が出先から帰ること。
(注9)艫(とも):船の後部。船尾。
(注10)高張提灯:社寺・役所の門前や商家の店頭、祭礼・葬送の行列などの先頭に高く掲げ、目印として利用された提灯。
(注11)桝形:城郭の虎口(こぐち)に設けられた施設で方形の空間を石垣で囲み2つの門を付けたもの。

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