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日本の祭祀・祭礼

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秩父夜まつり(ちちぶのよまつり)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

秩父夜祭とは、埼玉県秩父市の秩父神社で行われる例祭です。真夜中に神社と武甲山(ぶこうざん)の間にある御旅所(おたびしょ)(注1)で神事(注2)を執り行います。この一連の行事が国の重要無形民俗文化財(注3)に指定されています。 秩父夜祭の笠鉾(かさほこ)(注4)と屋台(注5)は、釘を一切使わずに組み立てられており、金色の飾りや極彩色の彫刻、金糸の刺繍で装飾された豪華な後幕(あとまく)(注6)の笠鉾・屋台は「動く陽明門(注7)」と言われ、国の重要有形民俗文化財(注8)に指定されています。同一の祭礼について国の重要有形民俗文化財および重要無形民俗文化財の両方に指定されているものは日本全国に5例しかなく、秩父夜祭はそのうちの1つです。 秩父夜祭は、京都の祇園祭、飛騨の高山祭と並んで「日本三大美祭り」及び「日本三大曳山(ひきやま)祭り」の1つにも数えられます。  

日付や時期

12月1日~6日

由来・起源・制定

祭りは寛文年間(注9)(1624~1644年)から続くとされ、300年以上の歴史があります。
秩父神社の例祭は、知知夫国(ちちぶのくに)(注10)に知知夫彦命(ちちぶひこのみこと)(注11)が大神(だいじん)(注12)を祭ったとされる時代か、それ以前から神奈備山である武甲山への信仰として行われてきたものが起源ではないかと言われます。秩父地方は、令制国(りょうせいこく)(注13)が整備される前の時代、知知夫国(知々夫国・秩父国)が置かれた地域です。崇神天皇(すじんてんのう)(注14)の時代に、知知夫彦命が初代知々夫国造に任じられています。秩父神社は、知知夫彦命が祖神(そしん、そじん、おやがみ)(注15)である八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)を祀ったことに始まるとされています。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

12月2日が宵宮、12月3日が大祭であり、提灯で飾り付けられた山車(笠鉾・屋台)の曳き回しや、冬の花火大会として全国的に知られています。
大祭の12月3日の午後6時半頃に、秩父神社から1㎞ほど離れた御旅所に向けて御神幸行列(注16)が出発し、6台の笠鉾・屋台がそれに続きます。御旅所下の急坂、団子坂を最大20tの笠鉾・屋台が多くの曳き手によって曳き上げられる頃に祭りは最高潮を迎えます。

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お金に関する事項

お祭りの祭、神社にお金やお供え物を納める場合、1,000円~1万円が目安だとされています。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

お祭りの際に神社にお供え物を納める場合、のし紙の水引は赤白の「花結」で、表書は「奉納」とするのが一般的です。名入には寄進をする人の氏名を水引の下段に入れます。お金を納める際の祝儀袋も同様とします。

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その他の事項(宗教に関する事など)

神社にお参りをする際は、まず鳥居で一礼し、参道の端を歩きます。手水舎で手と口、体の外と内を清めます。神前の賽銭箱の前まで来たら鈴を鳴らし、お賽銭を入れて二礼二拍手し、手を合わせてお祈りします。その後一礼して神前を離れ、鳥居をくぐって出た後、振り返って一礼します。

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脚注

(注1)御旅所:祭礼のとき、みこしを本宮から移してしばらく安置する所。
(注2)神事:神に関するまつりごと、儀式。
(注3)重要無形民俗文化財:食住、生業、信仰、年中行事などに関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術など、人々が日常生活の中で生み出し継承してきた無形の民俗文化財のうち、特に重要なものとして国が指定したもの。
(注4)笠鉾:山車の1種。聖なる力が宿り、神幸する際、その行く手を清めるとされる。
(注5)屋台:踊りの舞台。「踊り屋台」の略。。飾り物をして祭礼の時にひき歩く小屋型の台。はやし方や踊りてを乗せるものもある。
(注6)後幕:次に演じられる狂言のこと。
(注7)陽明門:安京大内裏の外郭門の1つ。
(注8)重要有形民俗文化財:日本の文化財保護法において、無形の民俗文化財に用いられる衣服、器具、家屋その他の有形の民俗文化財のうち、特に重要なものとして国が指定したもの。
(注9)寛文年間:江戸初期、 後西 (ごさい)天皇・霊元(れいげん)天皇の時の年号。1661年5月23日~1673年10月30日。
(注10)知知夫国:のちに武蔵国北西部となる地域。現在の埼玉県に位置する。
(注11)知知夫彦命:秩父地方の総鎮守である秩父神社の祖神。
(注12)大神:神の敬称。
(注13)令制国:日本の律令制に基づいて設置された日本の地方行政区分。
(注14)崇神天皇:日本の第10代天皇(在位:崇神天皇元年1月13日 - 同68年12月5日)。
(注15)祖神:神として祀る祖先
(注16)御神幸行列:遷宮や祭礼で、神体が移されたみこしを中心とした行列。

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