日本の祭祀・祭礼
天神祭(てんじんまつり/てんじんさい)
出典:IBC冠婚葬祭辞典
天神祭とは、日本各地の天満宮(天神社)で催されるお祭りです。お祀りされている菅原道真(注1)の命日にちなんだ縁日で、開催される時期は地域によって様々です。各神社で行われる天神祭の中では、大阪天満宮を中心として大阪市で行われる天神祭が有名です。 大阪天神祭は、「日本三大祭り(他は、京都の祇園祭(注2)、東京の神田祭(注3))」の1つであり、また、天王寺区愛染堂勝鬘院の「愛染まつり」(注4)、住吉大社の住吉祭(注5)と共に「大阪三大夏祭り」の1つでもあります。以下は、大阪天神祭について説明します。
日付や時期
7月24日、25日
由来・起源・制定
大阪天神祭は大阪天満宮が鎮座(注6)した2年後の951(天暦5)年6月1日から始まったとされています。この時の祭事は大川(注7)より神鉾(かみほこ)を流して、流れ着いた場所に祭場を設けて、その祭場で禊払い(注8)を行うというものでした。これが鉾流神事(ほこながししんじ)(注9)の元となり、その祭場に船で奉迎したことが船渡御(ふなとぎょ)(注10)の起源になっていると伝えられています。
▼ 続きを読む行事や風習・慣習、季節に関する事項
6月下旬吉日、「装束賜式(しょうぞくたばりしき)」と言われる天神祭の神事始めの行事により、天神祭の諸行事が始められます。
7月25日の本宮の夜は、大川(旧淀川)に多くの船が行き交う船渡御が行われ、奉納花火(注11)が上がります。大川に映る篝火(かがりび)や提灯の灯り、花火などの華麗な光景が広がることから、「火と水の祭典」とも呼ばれています。他に鉾流神事、陸渡御(りくとぎょ)などの神事が行われます。
お金に関する事項
お祭りの祭、神社にお金やお供え物を納める場合、1,000円~1万円が目安だとされています。
▼ 続きを読むのし紙・掛紙の水引や表書について
お祭りの際に神社にお供え物を納める場合、のし紙の水引は赤白の「花結」で、表書は「奉納」とするのが一般的です。名入には寄進をする人の氏名を水引の下段に入れます。お金を納める際の祝儀袋も同様とします。
▼ 続きを読むその他の事項(宗教に関する事など)
神社にお参りをする際は、まず鳥居で一礼し、参道の端を歩きます。手水舎で手と口、体の外と内を清めます。神前の賽銭箱の前まで来たら鈴を鳴らし、お賽銭を入れて二礼二拍手し、手を合わせてお祈りします。その後一礼して神前を離れ、鳥居をくぐって出た後、振り返って一礼します。
▼ 続きを読む脚注
(注1)菅原道真:平安時代の貴族、学者、漢詩人、政治家。死後「学問の神」として尊崇される。
(注2)祇園祭:毎年7月に行われる、京都市東山区の八坂神社(祇園社)の祭礼。「日本三大祭り」の1つ。
(注3)神田祭:東京都千代田区の神田明神で行われる祭礼。
(注4)愛染まつり(あいぜんまつり):大阪市天王寺区の和宗総本山四天王寺の別院・愛染堂勝鬘院、通称「愛染さん」で毎年催される祭り。
(注5)住吉祭:大阪市の住吉大社で行われる例大祭。
(注6)旧暦(太陰太陽暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられていた太陰太陽暦のこと。月の満ち欠けを主な基準にして決めた暦。
(注7)鎮座:神霊がそこに鎮まりいること。
(注8)大川:大阪市内を流れる川、旧淀川。
(注9)禊払い(みそぎはらい):人々の罪や汚れを祓い清める神事。
(注10)鉾流神事:神童を選出し、小舟で大川へ漕ぎ出し神鉾(かみほこ)を流す、宵宮の早朝に行われる行事。
(注11)船渡御:神体や神霊を船に乗せて川や海を渡す、祭礼などでの神事の1つ。
(注12)奉納花火:大阪天神祭でフィナーレを飾る花火。陸渡御:陸路で神様がお出ましになるという神事。
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