日本の祭祀・祭礼
壬生の花田植(みぶのはなだうえ/みぶのはなたうえ)
出典:IBC冠婚葬祭辞典
壬生の花田植は、広島県山県郡北広島町壬生で、毎年豊作を願って行われる伝統行事で、現在西日本に残る花田植えとしては最大級の規模です。国の重要無形民俗文化財(注1)に指定されており、ユネスコ無形文化遺産保護条約(注2)の「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されています。
日付や時期
6月第1日曜日
由来・起源・制定
西日本には鎌倉時代の頃より、田植えの際には音頭取りが打ち合わせるささらの拍子に合わせ、大太鼓や小太鼓、笛などで囃し、早乙女が田植歌を歌いながら植えていくという風習がありました。サンバイ(田の神)を祭って無病息災と豊穣を願う農耕儀礼であるとともに、重労働である田植え作業を楽しく行うための工夫でもあったようです。やがて田植えの行事は大勢の人々をあつめて一層華やかになり、代掻き(しろかき土を砕いて田をたいらにする)の牛は造花で飾った花鞍をのせ(飾り牛)、早乙女らは赤い襷や腰巻で着飾るようになり、花田植の名が付いたと言われています。
▼ 続きを読む行事や風習・慣習、季節に関する事項
きらびやかな装具をつけた飾り牛、絣の着物に菅笠をかぶった早乙女、見事なバチさばきを見せる囃子手などが、新緑の山、田んぼの水面にマッチし、初夏の一大絵巻となっています。
▼ 続きを読む脚注
(注1)重要無形民俗文化財:食住、生業、信仰、年中行事などに関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術など、人々が日常生活の中で生み出し継承してきた無形の民俗文化財のうち、特に重要なものとして国が指定したもの。
(注2)ユネスコ無形文化遺産保護条約:伝統的舞踊、音楽、演劇、工芸技術、祭礼等の無形文化遺産を消失の危機から保護し、次世代へ伝えていくための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とする国際条約。
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