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ホーム > 日本の祭祀・祭礼 > 伊勢神宮神嘗(かんなめ)祭/三重県伊勢市

伊勢神宮神嘗祭(いせじんぐうかんなめさい/かんなめのまつり/かんにえのまつり)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

神嘗祭は、その年に収穫された新穀(初穂)を天照大御神(あまてらすおおみかみ)に奉げる感謝祭で、宮中祭祀(注1)の1つとなる大祭(注2)です。宮中および伊勢神宮で祭祀が行われます。ここでは、伊勢神宮の神嘗祭について説明します。

日付や時期

10月17日

由来・起源・制定

天照大御神が天上の高天原(たかまがはら)において、新嘗祭を自ら行ったとする神話の記述が「古事記」あるいは「日本書紀」にあります。新嘗祭の儀式の中に弥生時代に起源を持つと考えられるものがあるため、その原型は弥生時代に遡るという説もあります。
かつては旧暦9月11日に勅使(注5)に御酒と神饌(しんせん)(注6)を授け、旧暦(注7)9月17日に奉納されていました。1873(明治6)年の新暦(注8)(太陽暦(注9))採用以降は9月17日に実施となりましたが、その頃は稲穂の生育が不十分な時期であるため、1879(明治12)年以降は月遅れとして、10月17日に実施されています。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

神嘗祭は、その年に収穫された新穀(初穂)を天照大神に奉げます。
まず御饌(みけ)(注10)の供進(注11)が行われ、飯・餅と白酒(しろき)・黒酒(くろき)など4種のお酒とともに、海魚12種、川魚2種、野鳥、水鳥、海草、野菜、果実、塩、水の合計30種を超える品が供えられます。この神饌の内容は「由貴大御饌(ゆきのおおみけ)」と呼ばれ、三節祭(注12)に限り供進される特別な神饌であり、大御饌に際しては、瑞垣 (みずがき)(注13)の四方に神饌を祀る「瑞垣神饌」という神事も行われます。
由貴大御饌の翌日の正午には勅使も参向し幣帛(へいはく)(注14)を奉るが、神宮における幣帛は、金ではなく絹織物などの実物で、削った柳の木を編んだ柳箱に入れられて正殿内まで奉られます。

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お金に関する事項

祭礼の時に、神社にお金やお供え物を納める場合、1,000円~1万円が目安だとされています。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

祭礼の時に神社にお供え物を納める場合、のし紙の水引は赤白の「花結」で、表書は「奉納」とするのが一般的です。名入には寄進をする人の氏名を水引の下段に入れます。お金を納める際の祝儀袋も同様とします。

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その他の事項(宗教に関する事など)

神社にお参りをする際は、まず鳥居で一礼し、参道の端を歩きます。手水舎で手と口、体の外と内を清めます。神前の賽銭箱の前まで来たら鈴を鳴らし、お賽銭を入れて二礼二拍手し、手を合わせてお祈りします。その後一礼して神前を離れ、鳥居をくぐって出た後、振り返って一礼します。

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脚注

(注1)宮中祭祀:天皇陛下が国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的に行う祭祀。
(注2)大祭:天皇みずから行う皇室の祭り。
(注3)古事記:太安万侶が編纂し、715(和銅5)年に元明天皇に献上された日本最古とされる歴史書。
(注4)日本書紀:日本書紀:奈良時代に成立した日本の歴史書。
(注5)勅使:天皇の命令書である公文書(勅旨)を伝えるために天皇が派遣する使者のこと。
(注6)神饌:神様や神棚にお供えする、米・酒・塩などの飲食物。
(注7)旧暦(太陰太陽暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられていた太陰太陽暦のこと。月の満ち欠けを主な基準にして決めた暦。
(注8)新暦(グレゴリオ暦):ローマ教皇グレゴリウス13世が制定し、1582年10月15日金曜日から執行されている暦法。 現在「太陽暦」として世界各国で用いられており、「新暦」と呼ばれる。日本では旧暦(太陰太陽暦)に代わって、1873(明治6)年から採用されている。
(注9)太陽暦:地球が太陽の周りを回る周期を基にして作られた暦。現在、世界の多くの地域で使用されている「グレゴリオ暦(新暦)」は、太陽暦の1種。
(注10)御饌(みけ): 天皇など高貴な人の食事。
(注11)供進:天子に献上すること。
(注12)三節祭: 伊勢神宮の年間諸祭祀のうち,特に重視されている3つの行事、神嘗祭および 6月と12月の月次祭のこと。
(注13)瑞垣(みずがき):神社などの周囲に設けた垣根。
(注14)幣帛(へいはく):神社で、神前に奉献するものの総称。

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