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伊勢神宮式年遷宮(いせじんぐうしきねんせんぐう)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

伊勢神宮式年遷宮とは、伊勢神宮において定期的に行われる遷宮のことです。遷宮とは社殿を造り替えて神座を遷すことを言います。伊勢神宮では20年ごとに、内宮(皇大神宮、こうたいじんぐう)・外宮(豊受大神宮、とようけだいじんぐう)の2つの正宮(しょうぐう)(注1)の正殿(せいでん)(注2)、14の別宮(べつぐう)(注3)の全ての社殿を造り替えて神座(しんざ)を遷します。

日付や時期

由来・起源・制定

記録によると、神宮式年遷宮は、飛鳥時代(注4)の天武天皇(注5)が定め、持統天皇(注6)の治世の690年に第1回が行われました。
その後、戦国時代の120年以上に及ぶ中断や幾度かの延期などはあったものの、2013(平成23)年の第62回式年遷宮まで、およそ1300年に渡って行われています。
式年遷宮を行うのは、萱葺屋根の掘立柱建物で正殿等が造られているためです。塗装していない白木を地面に突き刺した掘立柱は、風雨に晒されると礎石の上にある柱と比べて老朽化し易く、耐用年数が短いと言われています。そのため、一定期間後に従前の殿舎と寸分違わぬ弥生建築の殿舎が築かれています。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

式年遷宮では、30以上の多くの祭典と行事が行われます。その中で、ご神体を移す遷御を含む、中心的な3つの儀式について説明します。

遷御(せんぎょ)
御神体を旧殿から新殿へ遷す儀式で、遷宮行事の中核神事(注7)です。天岩戸(あまのいわと)伝説にちなみ鶏鳴三声(けいめいさんせい)(注8)は、内宮ではカケコー、外宮ではカケローの声で出御します。100名を超える奉仕員(神官)が参加して行われ、出御(注9)の時刻には、天皇陛下が神嘉殿(しんかでん)(注10)の前庭から伊勢を拝礼するとされています。皇族を始め多数の参列者が見守る中、儀式は夜間(2013年は午後8時より出御)に行われ、照明も松明のみとなります。

大御饌(おおみけ)
遷御の翌日に行われます。新殿において、初めて大御饌(おおみけ)(注11)を奉る儀式です。

奉幣(ほうへい)
遷御の翌日に行われる、天皇陛下から奉られる幣帛(へいはく)(注12)を奉納する儀式です。

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お金に関する事項

お祭りの祭、神社にお金やお供え物を納める場合、1,000円~1万円が目安だとされています。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

神社にお供え物を納める場合、のし紙の水引は赤白の「花結」で、表書は「奉納」とするのが一般的です。名入には寄進をする人の氏名を水引の下段に入れます。お金を納める際の祝儀袋も同様とします。

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その他の事項(宗教に関する事など)

神社にお参りをする際は、まず鳥居で一礼し、参道の端を歩きます。手水舎で手と口、体の外と内を清めます。神前の賽銭箱の前まで来たら鈴を鳴らし、お賽銭を入れて二礼二拍手し、手を合わせてお祈りします。その後一礼して神前を離れ、鳥居をくぐって出た後、振り返って一礼します。

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脚注

(注1)正宮:社の摂社(中間の神社)、末社あるいは分社に対して本宮(本社)をいう。
(注2)正殿:神社の本殿。
(注3)別宮:本宮に付属して別の場所に立てられた神社。
(注4)飛鳥時代:飛鳥に宮都が置かれていた崇峻天皇(すしゆんてんのう)5年(592年)から和銅3年(710年)にかけての118年間。
(注5)天武天皇:日本の第40代天皇(在位:673年3月20日- 686年10月1日)。
(注6)持統天皇:日本の第41代天皇(在位:690年2月14日 - 697年8月22日)。
(注7)神事:神に関するまつりごと、儀式。
(注8)鶏鳴三声:勢神宮の式年遷宮の儀式は、宮司がこの鶏の鳴き声を真似る。
(注9)出御:天皇・皇后などがおでましになること。
(注10)神嘉殿:平安大内裏(だいだいり)の中和院(ちゅうかいん)の正殿の称。天皇が神をまつるところ。
(注11)大御饌(おおみけ):天照大御神をはじめとする神々に供える食事。
(注12)幣帛(へいはく):神道の祭祀において神に奉献するものの総称。布帛(ふはく)の類をさしていう場合もある。

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